量子力学の参考書紹介(HS会員の理系リテラシー向上のための参考書)

 前々回「「アインシュタイン-ド・ブロイの関係式」について書いたので簡単に量子力学の本を紹介しておきましょう.初めにお断りしますが私は専門家でもなく,数冊見ただけの中からの紹介につき,専門家の知り合いがいる方はその方に聞いてみて下さい.

 やや旧いところで有名な教科書は,

1.湯川秀樹(岩波書店)
2.朝永振一郎(みすず書房)
3.デイラック(岩波書店,原書第4版)
4.ファインマン(岩波書店)
5.ランダウ(東京図書)

 etc.

実は(軽く)目を通したのは2だけです.2は物理学専攻者向けの本で,2分冊からない1冊目は量子力学成立以前のいわゆる「前期量子論」に当てられ,量子力学は2冊目からです.余談ですが,この本に書かれている「量子力学の成立の歴史」は朝永先生の創作とのことで,科学史とは異なっているとのことです(田崎晴明著(培風館)の熱力学か統計力学に書いてありました).しかも悪いことに色々なところに引用されてしまっているようです.

 さて,ここで紹介するのは上記のような物理の専門家を目指すのではなく,文系向け,工学専攻向けの本です. はじめに文系向けとしては,大川総裁先生ご出身の大学で文系向けの量子力学の講義が元となって作られた本を挙げます.

 量子論の基礎 清水明 著 サイエンス社

 文系向けながらも「場の量子論」の説明や,理系向けの本でも必ずしも取り上げられていない量子力学の不思議(の一つ),「ベルの不等式」についての説明もあります.アマゾンの書評も参考にして下さい.

 工学向けの本は,やはり大川総裁先生ご出身の大学の大学院理学系研究科教授の著作です.本書の特徴ですが,230ページほどのコンパクトにつき中に前期量子論についてはふれず,「アインシュタイン-ド・ブロイの関係式」から入り,理論は「場の理論」も含め100ページほどに収め残りは応用について説明していることです.専門家からは,前期量子論を知らなくては量子力学の考え方が身に付かない,と言われそうではありますが,一般の社会人が1~5を読もうとすると量子力学に入る前に,つまり前期量子論のとこで倒れてしまうのではないでしょうか.まずは,こちらを読んでから,時間があれば前期量子論を読めばよいかと思います.
 なお,こちらもアマゾンの書評が参考になります.

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